おすすめの純文学作品40選!日本語で書かれた作品編

文学・読書コラム
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『浮雲』二葉亭四迷

明治時代の小説家・二葉亭四迷が自伝的要素を含めて描いた作品です。主人公の二葉亭は、文学者としての自己実現を目指し、様々な苦悩や挫折を乗り越えながらも、文学の道を追求していきます。彼は、若い頃から文学に興味を持ち、新聞社に就職して執筆を始めます。しかし、自分の作品に自信を持てずに悩み、上司からの圧力や、同僚たちとの軋轢などにも悩まされます。そんな中でも彼は、自分の道を貫き、文学者としての地位を確立していくのです。この作品は、二葉亭の人生と彼が紡いだ作品についての貴重な記録となっており、明治時代の文学史において、欠かせない一冊となっています。

『布団』田山花袋

寒い冬の夜に男が布団の中でぬくぬくと寝ているところから始まります。しかし、男が寝返りをうった瞬間、布団が急に重くなり、男は窒息しそうになります。男が布団から出ようとしても、どうにも動けず、不気味な気配が漂います。やがて男は、自分が布団の中で埋もれていることに気づき、絶望的な気持ちになります。その後、男はなんとか布団から脱出し、恐怖の体験を友人に話します。友人はそれを聞いて、驚くと同時に、恐ろしい真実を知ることになります。『布団』は、不気味な雰囲気が漂う短編小説で、読者を戦慄させることで知られています。

『こころ』夏目漱石

主人公の「私」と、彼が出会った青年・先生の物語です。私は、東京で働く若い男性で、ある日、先生という人物に出会います。先生は、私とは異なり、哲学的な問題や人生の意味を真剣に考える人物で、私は彼に深い関心を寄せます。しかし、やがて先生が心に抱える重い過去や、それにまつわる人間関係が明らかになり、私は彼の苦しみを知ることになります。また、私自身も精神的な不安や孤独を感じ、自己探求の旅を始めます。物語は、私が先生との出会いを通じて人生や愛の意味を見つめ直し、最後には先生との別れを迎えるところで結ばれます。『こころ』は、自己探求や哲学的な問題を扱いつつも、人間の深層心理を描き出す傑作小説であり、日本の近代文学史においても重要な位置を占めています。

『舞姫』森鴎外

森鴎外が1900年に発表した小説であり、明治時代の日本とドイツを舞台に、日本人官僚の太田豊太郎とドイツ人娼婦のエリスとの物語を描いています。豊太郎は、ドイツ留学中にエリスと出会い、彼女との交流を通じて、彼女の人生観や西洋文化に興味を持ちます。その後、豊太郎は日本に帰国し、エリスとの出会いを思い出しながら、彼女に手紙を送り続けます。やがて豊太郎は、彼女に再会するためにドイツへ渡ります。物語は、豊太郎とエリスがそれぞれの文化や社会の違いに直面しながらも、互いに惹かれ合っていく姿が描かれています。

『雪国』川端康成

山間の温泉地を舞台に、男と女との運命的な出会いを描いた作品です。主人公の島村は、東京から列車で長野県の雪国へ向かいます。そこで彼は、温泉宿で働く若い女性ゆきと出会います。島村は、ゆきに惹かれていきますが、彼女には夫がいました。やがて島村は、自分たちの関係に絶望し、雪国を去る決意をします。その後、島村は別の女性と結婚しますが、彼はゆきへの想いを忘れられずにいました。物語は、島村とゆきの交流や、島村の心情描写を通じて、孤独や愛情、人生の意味など、深い哲学的テーマを探求しています。

『金閣寺』三島由紀夫

実在する京都市北区にある金閣寺を舞台に、禅僧・琢磨とその弟子・史郎の心の葛藤を描いた作品です。物語は、史郎が金閣寺に来るまでの経緯から始まります。彼は、病弱で精神的に不安定な母との関係に悩んでいました。そんな中、彼は金閣寺で出会った琢磨と出家することを決意します。しかし、彼の内面には、欲望や嫉妬心が渦巻いていました。史郎は、美しい琢磨に対して異常なまでに執着するようになり、ついに金閣寺を破壊してしまいます。物語は、史郎の精神の崩壊とともに、禅宗の思想や日本文化の諸相を描き、三島由紀夫の代表作として知られています。

『人間失格』太宰治

主人公の大庭葉蔵が自己嫌悪や孤独、社会からの孤立感に苦しみながら生きていく姿を描いた作品です。葉蔵は、家族や周囲から期待されながらも、自分自身の欲望に従い、堕落的な生活を送っていました。彼は、自己嫌悪に苛まれながらも、誰にも理解されない独りよがりな思考を繰り返します。やがて、彼は絶望的な状況に陥り、自殺を図ります。しかし、彼は生きることを選び、再び社会に復帰しようとしますが、過去の罪悪感や孤独感に苛まれ、ついに自殺してしまいます。物語は、葉蔵の内面の葛藤を通じて、現代社会の孤独や人間の存在意義を問いかける作品として、多くの読者に愛されています。

『金色夜叉』尾崎紅葉

明治30~35年にかけて読売新聞に連載された小説で、作者である尾崎紅葉が病死したため未完の作品です。主人公の間寛一(はざま かんいち)とヒロインのお宮(鴫沢宮、しぎさわ みや)は許嫁どうしでしたが、結婚の直前、お宮は富豪の富山唯継(とみやま ただつぐ)のところへ嫁いでしまいます。激怒した寛一は、熱海でお宮を問い詰めます。このとき、本心を明かさないお宮を寛一が足蹴にして立ち去るシーンが有名です。

『濹東奇譚』永井荷風

東京湾岸地域で生活する人々の日常を描いた物語です。主人公である荷風自身が、その地域に移り住んだことから、そこで出会った人々との交流や、彼らが抱える問題を描いています。物語は、人々の情念や欲望、そして狂気を描きながら、日本近代文学における新しい文学の形式を模索しています。例えば、主人公が偶然見かけた、一人の女性の奇妙な性的嗜好を描いたエピソードなどは、当時の社会においては禁忌とされていたテーマであり、大きな話題を呼びました。また、荷風が日常的に体験した風俗や生活習慣についても、細かな描写を交えて描かれており、当時の東京湾岸地域の様子を知る貴重な資料となっています。

『蟹工船』小林多喜二

日本海の小さな漁村から石炭を運ぶ「蟹工船」に乗った労働者たちの過酷な人生を描いた小説である。主人公の一人である喜助は、彼らが人間ではなく半分蟹のように扱われることに怒りを覚え、反乱を起こす。しかし、それは徹底的な制裁と暴力で抑え込まれてしまう。物語は「蟹工船」の乗組員たちの心の闇や過酷な労働環境が描かれていく。小説は、労働者の生活や権利について問いかけると同時に、暴力や抑圧によって個人の自由が侵害される現実を提示している。

『檸檬』梶井基次郎

「不吉な塊」に抑圧された主人公は美しい音楽や詩などを受け付けなくなってしまい、代わりに壊れかかった街や、裏通りの風景といったものに心惹かれていきます。そんな主人公が街をぶらついていると、果物屋の店先に置いてある檸檬に主人公は魅了されます。

『春琴抄』谷崎潤一郎

容姿端麗で、才能にも恵まれた三味線奏者である春琴は、9歳のころにした病気のために目が見えません。そんな春琴の世話係である佐助はあるとき、この春琴に指示して自分も三味線を学ぶことにします。春琴は気性の荒い性格で稽古は非常に厳しく、佐助は泣き出してしまうほどでした。しかし、佐助はいつしかそんな春琴の稽古を待ち遠しく思っていることに気付きます。

『山椒魚』井伏鱒二

井伏鱒二の書いた短編小説です。主人公はタイトルのとおり「サンショウウオ」。成長しすぎたことで自分の棲み処から出られなくなってしまったサンショウウオの悲嘆を描いた物語です。

『羅生門』芥川龍之介

仕事と家を失った若者である下人が、羅生門で老婆に出会う話です。

『銀河鉄道の夜』宮沢賢治

孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語です。

『暗夜行路』志賀直哉

時任謙作は母と祖父との不義密通によって生まれたことを知らずに育ち、自己嫌悪に陥り、孤独感や不安に悩まされ、娼婦に行ったりするようになりました。謙作は尾道に転居し、お栄と結婚しようと思いましたが、出生の秘密が明かされショックを受けます。後に、直子と結婚し幸せを感じるものの、子供が死んだことで自分がのろわれていると感じ、また落ち込んでしまいます。謙作は大山に行き、修行へ出ることになります。

『或る女』有島武郎

早月葉子は十代の頃に作家の木部孤笻と結婚します。家族の反対を押し切っての結婚でしたが、理想と現実とのギャップに失望して離婚します。そして、妖婦的な魅力を持つ彼女は、実は妹や娘を置いて、木村貞一との結婚を夢見てアメリカに行くことを決心します。しかしアメリカへの船内で葉子は野性的な魅力を持つ船事務長・倉地と恋に落ちます。彼には妻子がいましたが、葉子は彼と暮らすことになります。

『堕落論』坂口安吾

坂口安吾が、戦後の日本社会の倫理観を観察し、戦争体験を踏まえながら人々の生きる指標を示した代表作です。戦争中の体験について回想し「東京は虚しい美しさがあふれ、人々は考えずに戦争と遊び戯れていた」と語っています。戦後、人々はあらゆる自由を許されましたが、同時に自分たちの不自由さに気づき、次々と堕落していく現状を見ていました。しかし、人間は永遠に堕ちることはできないと指摘し、人間が救われるためには、生きて墜ちていくことが必要であり、同様に日本も墜ちることが必要であると主張し、戦後に新たな価値観を生むことを提言しています。

『風立ちぬ』堀辰雄

夏の終わりに、主人公は節子と出会い、山の近くのホテルで過ごします。数年後、節子の結核が重くなり、サナトリウムに転地療養することになります。主人公は付き添いで同行し、節子の病状が重いことを知ってしまいます。ある夕暮れ時、節子の目を通して素晴らしい景色を見ることを悟った主人公は、節子の無償の愛に支えられていることを感じます。

『箱男』安部公房

この文章を要約して「ダンボール箱を頭から腰まですっぽりとかぶり、覗き窓から外の世界を見つめて都市を彷徨う「箱男」の記録の物語です。「箱男」の書いた手記を軸に、他の人物が書いたらしい文章、突然挿入される寓話、新聞記事や詩、冒頭のネガフィルムの1コマ、写真8枚など、様々な時空間の断章から成る実験的な構成となっています。

『死者の奢り』大江健三郎

大学生の「僕」と女学生が、医学部の死体処理室でアルバイトをしていた。彼らは解剖用の死体を移し替える作業をしていたが、作業中に「僕」は死体や生きている人間について考えるようになる。作業中に女子学生が妊娠していることを告白し、自分の中絶費用を稼ぐためにこの仕事に応募したことがわかる。作業中に女子学生が体調不良を訴え、部屋を抜ける。その後、管理人が手違いで古い死体を移すのではなく焼却場で火葬することになっていたことがわかり、管理人と医学部の助教授が議論していた。最終的に、管理人は本来の作業を行うことになり、「僕」もその作業を行うことになる。

『沈黙』遠藤周作

日本でのキリスト教禁教時代におけるキリスト教宣教師たちの苦難を描いたものであり、作家の遠藤周作によって1966年に発表されました。小説の主人公であるロドリゴは、潜伏キリシタンたちを助けるために日本に潜入し、長崎奉行所で捕らえられます。そこで、かつて自分たちの指導者だったフェレイラと出会い、様々な苦悩やジレンマを抱えることになります。物語は、ロドリゴが踏絵を踏む場面で幕を閉じます。

『十九歳の地図』中上健次

19歳の予備校生である主人公「ぼく」は、住み込みで新聞配達をしている。寮では30代の男性・紺野と相部屋で暮らしている。「ぼく」は予備校にはほとんど行かず、新聞配達先で嫌な家を見つけると地図に×印をつけ、3つ付いた家には嫌がらせのような電話をかけるようになる。隣のアパートから聞こえる夫婦喧嘩にもうんざりし、自分自身や周りの人々の生活に鬱屈とした感情を抱くようになる。「ぼく」は東京駅に爆破予告をする電話をかけ始め、最終的に「かさぶただらけのマリアさま」という人物に電話して罵倒するが、彼女の言葉に助けられる。最終的に「ぼく」は涙に暮れ、人生の虚しさについて考え込む。

『苦役列車』西村賢太

19歳の貫多は、ジリ貧の日雇い労働者であり、幼少期に家庭崩壊を経験して閉塞的な人格を形成しました。荷役労働で生計を立て、お金を酒や風俗に費やしながら老人染みた生活を送っていました。専門学校生の日下部と出会い友達になり、恋人のいる彼女を通して女友達を紹介してもらうことになりますが、酒に酔って暴言を吐き関係が悪化します。貫多は更に上司との喧嘩で出入り禁止になりました。一方、日下部は郵便局員になり、貫多は別の荷役会社でほぼ変化のない生活を送る中で、藤澤清造の私小説と出会うことになりました。

『犬婿入り』多和田洋子

多摩川べりのありふれた町の学習塾は “キタナラ塾” の愛称で子供たちに人気です。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたところ、そこに本当に〈犬男〉の太郎さんが押しかけてきて、奇妙な2人の生活が始まります。

『石の来歴』奥泉光

主人公の真名瀬は戦争での経験から石集めを始め、家庭を築いたが、長男が洞窟で刺殺され、家庭は崩壊して次男は叔母夫婦に育てられます。次男もやがて学生運動の中で死んでしまいます。真名瀬は次男から長男の死亡日に関する話を聞き、洞窟に向かって過去のトラウマを乗り越えます。

『忘れられた帝国』島田雅彦

「ぼく」という若者が18年間の記憶を語ることから始まります。彼はかつて暮らした「帝国」という郊外での生活を描き、そこに住む怪人や妖怪たちとの出会いや思い出を振り返ります。物語はノスタルジックな雰囲気に包まれており、暮らしの中で当たり前だったものが、現在では失われてしまっていることが描かれています。

『妊娠カレンダー』小川洋子

姉が妊娠し、つわりや妊娠中の食事の悩みなどが描かれています。姉と義兄はあまり妊娠の話題を出さなかったため、わたしは「おめでとう」と言いそびれてしまいました。姉のつわりが始まり、匂いに敏感になったため、わたしはキッチンを使わないようにしました。つわりが終わると、姉はいつも食べ物を口にするようになりました。わたしはグレープフルーツのジャムを作り続けましたが、グレープフルーツが染色体異常を引き起こすことを知っていました。そして、姉は陣痛が始まり、わたしは病院に向かいました。新生児室で破壊された赤ん坊に会うために歩き出したところで文章は終わります。

『風の歌を聴け』村上春樹

この文章は、29歳の既婚者の男性が、大学時代の恋人である仏文科の女の子が自殺したことを振り返り、19日間の夏の思い出を手記にまとめているものです。彼は、故郷で友人とビールを飲み、小指のない女の子と出会い、彼女が中絶手術をした後に寄り添って眠ります。この話は1970年の8月8日に始まり、19日後の8月26日までを回想した手記です。

『限りなく透明に近いブルー』村上龍

東京の米軍住宅で、リュウは仲間たちとともに荒廃的な生活を送っています。彼らはドラッグやパーティーをして自由奔放にしているように見えますが、そこには抑圧感が潜んでいます。苛立ちが蓄積され、喧嘩や自殺未遂が起こり、リュウの周りの人々は次々去っていくのです。リュウは恋人のリリーと二人きりになり、ドラッグによって錯乱状態に陥ります。自分を抑圧する巨大な鳥を見たリュウは、その鳥を殺さなければ自分が殺されると発狂します。

『猫に時間の流れる』保坂和志

この小説は、チイチイとパキという二匹のおとなしい猫と、野良猫のクロシロを中心に、猫を中心にした猫と人間の暮らしが描かれています。バブルが崩壊に向かう1991年、人の心もしだいに荒み始めた時代、最後の平和だったころの物語です。

『日蝕』平野啓一郎

15世紀末、ペストの猖獗によって荒廃した南仏の小村を舞台に、旅の途上の若き学僧の聖性体験を描いた物語です。

『キッチン』吉本ばなな

祖母を亡くした桜井みかげが、アルバイト先の花屋で知り合った田辺雄一とその母親・えり子の家に居候することになり、3人がひとつ屋根の下で暮らすことになるという物語です。家族ではありませんが、彼らの穏やかな日常が描かれ、再生と喪失の物語が展開されます。

『ベッドタイムアイズ』山田詠美

アメリカ軍基地を脱走した「スプーン」という男が、売れない歌手のキムに助けを求め、彼女のアパートで同棲生活を始めます。しかし、スプーンが大切にしている封筒と美しい女性歌手の存在により、事件に巻き込まれることになります。

『インストール』綿矢りさ

女子高生の野田朝子は受験戦争から脱落し、登校拒否をしています。彼女は部屋の大掃除をしていたところ、亡くなった祖父からもらったコンピューターを捨てることができず、壊れたままゴミ捨て場に座り込みます。そこを通りかかった小学生の男の子がコンピューターを欲しがり、それを渡すことになります。数日後、同じマンションに住む女性から試着品下着をもらい、朝子が図書カードを届けると、少年が直したコンピューターが彼の部屋の押入れに入っていることに気付きます。少年から風俗チャットのアルバイトを持ちかけられ、朝子は引き受けて働き始めるが、その中で心が変化していきます。

『土の中の子供』中村文則

主人公は幼少期に親に捨てられ、親戚夫婦から虐待を受け、山で生き埋めにされるが生還します。27歳になった主人公はタクシードライバーとして働いていますが、過去の被虐経験に拘束され、高所から物を落下させる癖があります。実の父親が会いたいと名乗り出てから主人公の精神はますます不安定になり、自殺未遂をしますが、最終的には親の存在を否定することで、被虐経験と決別し、恐怖の克服を試みます。

『人のセックスを笑うな』山崎ナオコーラ

美術学校に通う19歳の主人公は、20歳年上で既婚の講師「ユリ」と特異な恋愛関係にあります。しかし、最後のセックスの日にユリが見せた蟠りによって、2人の関係は蝕まれます。ユリは専門学校の講師を辞め、一人になりたいと言い残して、以降連絡は取れなくなりました。主人公はユリを思い出してばかりいるのでした。

『乳と卵』川上未映子

姉の巻子とその娘の緑子が東京にやってきた。巻子はシングルマザーで、スナックで働き、豊胸手術に執着していた。緑子は反抗期に入り、コミュニケーション手段は筆談で、母の豊胸手術への批判を日記に書いていた。巻子は豊胸手術のカウンセリングを受けるために出かけた後、泥酔して帰宅し、元夫に会いに行ったことを告白し、緑子に感情をぶつけた。二人は卵を頭にぶつけ合い、親子の葛藤が始まった。

『火花』又吉直樹

売れない芸人・徳永は、熱海の花火大会で先輩芸人・神谷と出会い、神谷の弟子になりたいと志願する。神谷はそれに対し「俺の伝記を書く」という条件で受け入れる。数年が経ち、徳永のコンビは少しずつ結果を残し始めていましたが、神谷のコンビは鳴かず飛ばず。それでも、自身のスタイルを貫く神谷に徳永の心は惹かれていきます。

『コンビニ人間』村田沙耶香

主人公、古倉恵子は普通の両親に育てられますが、周囲からは奇妙に思われる子どもでした。感情や社交性が乏しく、両親からは「どうしたら治るのか」と思われることもありました。しかし、大学一年生の時にスマイルマート日色町駅前店でのコンビニアルバイトを始め、コンビニという世界に希望を見出し、自分の居場所として生きることを決めます。周囲も彼女の変化を喜び、彼女は『普通』に向かって一歩を踏み出すのでした。

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